意外と知らない"ICT支援員"(vol.2)

意外と知らない

前回は、学校のICT利活用をサポートする「ICT支援員」の業務についてご紹介しました。今回は「ICT支援員になるには」をテーマに解説します。

需要はどのくらいあるの?

ICT支援員という仕事はまだ歴史が浅く、その呼び方も「情報サポーター」や「ICT活用パートナー」など様々です。それでも、学校現場での知名度は徐々に広まっており、平成25年度に一般社団法人日本教育 情報化振興会が実施したアンケートでは「授業でのICT活用、校務支援システムの導入などで、ICT支援員の必要性が高まっている」に対して「強くそう思う・そう思う」と回答した教育委員会は全体の約90%にのぼります。

一方で、同アンケートによると「ICT支援員を何らかの形で配置している」と回答した学校は全体の約35%に留まっており、ニーズに対してまだまだ整備が進んでいません。これから整備が進んでいくサービスであると言えます。

ICT支援員の雇用・勤務形態

ICT支援員はその雇用形態も様々です。自治体や学校が嘱託職員として直接雇用することもあれば、自治体が委託業者と契約し、業務委託という形で導入されることもあります。また、本来の形とは少し異なりますが、機器やソフトウェアの導入や運用保守の一環として学校をサポートするケースもあります。

図書司書やスクールカウンセラーといった学校における他の専門スタッフと同様に、学校への訪問頻度(勤務日数)は学校・地域により異なります。現在は1校当たり月2~4回訪問といった配置(巡回型)が多いですが、タブレットPCの整備が進み、整備台数が多い自治体等では、各校に1名常駐という形で配備していることもあります。そのため、同じICT支援員でも、フルタイムの方から週に2~3回勤務の方まで、様々な働き方があります。また、勤務時間は基本的に教育委員会や自治体等が定め る学校の業務時間と同じで、朝は少し早いこともありますが、夜遅くまで、ということは比較的少ない仕事と言えます。

ICT支援員に必要なスキル、資格

“ICT”支援員という名前から、必要なスキルは「エンジニア」や「SE」のようなものだと思われることも少なくありません。しかし実際にはそうした技術的なスキルよりも、意欲、態度やコミュニケーションスキルといった人物面がとても重要です。ICT支援員は大人(先生方)だけではなく、子ども達と接する機会も多い仕事です。時には子ども達から「先生」と呼 ばれることもあります。笑顔であいさつができる、相手の目を見て話を聞くことができる……こうした子ども達のお手本となるような振る舞いが求められる職業です。

また、学校現場にはICTが得意な先生も苦手な先生もいらっしゃいます。そうした先生方と分け隔てなく接し、先生方の要望を的確にくみ取り、難しいSE用語ではなくできるだけ平易な言葉でわかりやすく伝える力が求められます。

ICT支援員の仕事は、あくまで先生方のサポートであり、授業は行わないため、教員免許は必要ありません。「教員免許は無いけれど教育に携わりたい」という思いを持っている方にはお 勧めの仕事かもしれません。一方で、平成25年度から「ICT支援員能力認定試験」が実施されており、ICT支援員として活躍されている多くの方がこの資 格を取得しています。自治体によってはこの資格の保有を条件としていることもあるため、ICT支援員を目指す方には今後必要になる資格であると言えます。また、ICT支援員能力認定試験と同じ事務局が実施している「教育情報化コーディネータ(ITCE)」の資格も支援員業務を行う上で非常に有効な資格で す。

ICT支援員の教育

必要なスキルを見ると、難しそうな仕事に見えますが、業務委託型のICT支援員サービスを提供している企業の多くは、きめ細かなICT支援員の教育を行っています。学校のICT環境を取り巻く状況は日々変わ りますので、配置前研修だけではなく、定期的なスキルアップ研修なども実施します。因みに当社(内田洋行)では、地域ごとの研修だけではなく、全国の ICT支援員を集めて、支援事例の共有や大学の先生に講義いただくスキルアップ研修を年に2回実施しています。また、先述の「ICT支援員能力認定試験」や「教育情報化コーディネータ2級・3級」といった試験の対策も実施しています。ICT支援員は1人で学校に行くことが多いため、普段はなかなか他の支援員と話をする機会がありませんが、こうした研修の機会を利用して情報交換をすることができます。

次回、最終回はICT支援員経験者の方のインタビューを掲載します。

≪第3回へ続く≫

構成・文:内田洋行ソリューション&サービスビジネス開発部 吉澤日花里

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