意外と知らない"ICT支援員"(vol.3)

意外と知らない

学校のICT利活用をサポートする「ICT支援員」。前回は「ICT支援員になるには」をテーマに解説しました。最終回は実際にICT支援員として働いた大森さんへのインタビューを通して、"支援員の生の声"をお届けします。

ICT支援員インタビュー

大森さん プロフィール

平成11年にICT支援員として業務を開始。現場でICT支援員を経験した後、現在は株式会社内田洋行でICT支援員事業の企画・開発を行っています。ICT支援員能力認定と教育情報化コーディネータ2級の資格(前回掲載記事参照)を持っています。プライベートでは双子の高校生の母でもあります。

吉澤 ICT支援員を始めたきっかけを教えて下さい。

大森 まだ世に「ICT支援員」という言葉が出る前に、「学校でパソコンを教えるお仕事です」という求人を見て、「学校とパソコンが好きな私にぴったりの仕事だ!」と思って応募しました。

吉澤 ICT支援員のやりがいはなんだと思いますか?

大森 以前、支援員として訪問した学校で、不登校気味の子に「今度タブレットパソコンを使った授業をやるよ」と伝えた所、担任の先生から「その時間だけ来てくれました」というご報告をいただきました。自分の好きな「学校」と「パソコン」を先生や子ども達から好きだと言ってもらえることが、支援員としてとても嬉しかったです。また、先生方も子ども達もとても正直なので、自分のやった仕事の評価が「ありがとう」「次もお願いね」といった言葉や、子ども達の笑顔になって、すぐ返ってきます。頑張れば頑張るだけ、評価してもらえ、その評価を自分で感じられる点が魅力だと思います。

吉澤 逆にこれは大変、ということはなんですか?

頼まれたことにその場ですぐに対応するための支援セット(左)と、職員室にいない時に先生方からの質問を受けるためのメモや居場所を提示するホワイトボード(右)。「先生方に話しかけていただきやすいよう、様々な工夫をしていました」(大森さん)

頼まれたことにその場ですぐに対応するための支援セット(左)と、職員室にいない時に先生方からの質問を受けるためのメモや居場所を提示するホワイトボード(右)。「先生方に話しかけていただきやすいよう、様々な工夫をしていました」(大森さん)

大森 当初私は人見知りだったので、定期的に担当校の変更があったり、先生方の異動、子ども達の入学・卒業があったりするのが大変でした。先生方や子ども達はICT支援員としての私一人を覚えてくれますが、こちらはたくさんの人の顔や名前を覚えなければならないからです。一方で、人が好きなので一度仲良くなればとても楽しく仕事ができました。

吉澤 どんな人がICT支援員に向いていると思いますか?

大森 支援員は自分が表に立つのではなく、表に立つ先生や子ども達がうまくいくように陰ながら支える仕事なので、段取りするのが得意な人に向いていると思います。また、人が好きな人にもお勧めです。

吉澤 大森さんは子育てもしながらICT支援員をやっていたと思いますが、大変ではなかったですか?

大森 大変でしたが、ICT支援員ほど子育てとの両立に向いている仕事は無いと思います。休みは必ず子ども達と一緒になりますし、職場の先生方も学校の行事には理解があります。訪問のスケジュールを組む際にも、子どもの運動会や授業参観などを理由に別の支援員との交代をお願いしても受け入れてもらいやすく、融通が利きます。もちろん、一緒に支援員をしている仲間のサポートがあってのことです。職場と生活基盤のリズムが同じであることは長く仕事を続けていく上でとてもよかったと思います。
また、プライベートでPTAの役員などもしていたのですが、仕事柄先生がお困りのことがわかるので、やりやすかったですし、逆にPTAをやっていて学んだことを仕事にも生かせるため、職場だけではなく“自分自身の”スキルアップを実感することができました。

吉澤 これからICT支援員をやってみようかな?と思っている人に一言お願いします!

先生に支援内容を報告する大森さん

先生に支援内容を報告する大森さん

大森 こんなに楽しい仕事はないと思うので、是非一緒に働きましょう。小さな達成感がたくさんある仕事です。お母さんをしているとこんなに言われない! というくらい、子ども達から「ありがとう」と言ってもらえます!

吉澤 最後に大森さんの目標を教えてください。

大森 ICT支援員の仕事はまだまだ認知度が低いのですが、もっと学校や家庭の皆さんに知ってもらえるよう活動し、それを発信していきたいと思っています。まずはこの記事を読んだ方に、学校のパソコン室に先生じゃない人がいた時に「あ、あれがICT支援員かな?」と思っていただけると嬉しいです。 

≪おわり≫

構成・文:内田洋行ソリューション&サービスビジネス開発部 吉澤日花里

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